しばらく更新をさぼっていました。
今はシリア南部のキルギスという小さな農村にいます。
ここで、大学の部活の同期の小沼大地が、海外青年協力隊の一員として、
村人へのマイクロファイナンス(小口融資)と環境教育の活動に取り組んでいる。
久しぶりに大地と再会してまず驚いたのが、
彼がぺらぺらにアラビア語をしゃべる光景。
去年までは、「克己心、克己心!!」(去年の部活のテーマであった)と叫んでいた男は、
今はアラビア語で仕事をしている。
彼の村に行ってみると、彼は人気者だ。
道ですれ違う人が、みな「だいちー!」と呼んでは、
握手を交わしに来る。
子供たちも、大地を放っておくことはない。
歩いていると、あらゆるところから、「だいちー!」の声が聞こえてくる。
村人に受け入れてもらうまでには、きっと涙ぐましい努力があったに違いない。
大地の仕事の忙しさとは裏腹に、村の時間は、ゆったり流れる。
大人は午後3時に仕事が終わり、それから誰かの家に集まり、ひたすら世間話。
最近砂糖の値段が上がったな、とか、
おまえの牛の調子はどうだ、とか。
そして、日本では考えられないくらい、人と人の距離が近い。
みんな家族のようにお互いのことを親しく感じている。
夕食の時間になると、誰かの家に行けば、必ず夕食を振舞ってくれる。
のんびり生活で、家族と過ごす時間が長い。
近所もみんな親戚で、互いに助け合いながら生きている。
彼らの月収は、約200ドル。
でも、これもまた幸せの一つの形だなと、村人の笑顔を見て思う。
↑ 村長の家に招待され、夕食をご馳走になった。
↑ アラビア コスプレ。
ここで、大地の活動を軽く紹介します。
シリアは都市部でも、田舎でもゴミが散乱している。
ひどいです、はっきりいって。
彼はまさにそれに取り組んでいる。
「ゴミは、しっかりゴミ箱に捨てましょう」
「環境を大切にしましょう」
こういった日本では当たり前のことを、
いかに効果的にシリアの人々に浸透させていくか、
彼は日々試行錯誤を繰り返しながら、奮闘している。
大学に働きかけたり、幼稚園の先生を教育したり。
彼の環境教育の活動は、ここで全て紹介しきれないくらい
多岐にわたる。 彼は、自分が立案した計画がこの村で成功すれば、
今後の他の村での活動のモデルになるに違いないと、
自分のアイディアを形にするべく、頑張ってます。
もうひとつの任務が、マイクロファイナンスと呼ばれる融資の活動。
最貧困層の生活水準の向上を計り、「現物融資」という形で、
農民に牛などを「融資」している。
ただし、イスラム教の聖典であるコーランには、「利子」を禁止する項目があり、
なかなか先進国とは同じようなシステムでは機能しないため、
さまざまな苦労があるという。
村で、彼の活動を見学した。
まずは彼が所属するNGO団体(FIRDOS;Fund for Integrated Rural Development of Syria)設立した幼稚園を見に行った。
↑ 仕事の打ち合わせをする大地
まぁ子供たちは、相変わらずどこの国でも元気です。
大地が仕事をしている間、自分は子供たちと戯れる。
バスケ、鬼ごっこ・・・ 汗かいたー
次に、大地の活動とは直接関係ないのですが、
日本のODA援助でこの村に誕生した、移動式図書館を見学。
村内を定期的にまわって、子供たちに無償で本を貸し出す。
本などにアクセスのない子供の教育に、一役買っています。
次には、日本が医療器具を提供したクネイトラ病院を視察しにいった。
大地のコネでいろいろ見て回ることが出来た。
日本が提供した医療器具には、ずべて日の丸と「From the People of Japan」と書いてある。
こんなシリアのド田舎でも、日の丸が見れるのです。
やっぱり海外で見る日の丸は嬉しいです。
病院の医療器具や移動式図書館。
これらが提供・設立されるまでには、影でいろんな人が
努力しているのだなと、大地の活動を見ながら思う。
いろんな刺激を受けた一日だった。
明日は、自衛隊がPKO活動をしているゴラン高原へ
見学しに行きます。